Windowsスプーラーを使用した印刷

プリンターに印刷する際には、デフォルトではキューは独自の通信システムを使用して印刷します。

例えば、プリンターがイーサネット経由で接続されている場合、キューのソフトウェアは独自のTCP/IP通信を使用してプリンターと通信します。または、プリンターがUSBプリンターである場合には、キューはUSBプリンターと直接通信します。

Windowsのプリンタードライバーは、通常、すべての通信にWindowsスプーラーを使用するため、デバイスとの通信はすべてWindowsが行います。

通信障害が発生した場合には、(直接通信の方法を使う代わりに)Windowsスプーラーを使用してキューから印刷することが便利な代替手段または診断方法となる可能性があります。よく問題が起きるのは、キューが使用している同じプリンターのWindowsドライバーがある(または他のソフトウェアがインストールされている)場合です。Windowsドライバーはステータス確認のためにデバイスに一定の間隔でポーリングするか、キューと同時にデバイスに印刷しようとしている可能性もあります。2つの製品が同時に通信しようとしているために競合が生じます。このとき、印刷時の破損、不正な線の印刷、用紙排出、またはプリンターでの印刷不可というエラーが表示されます。

 

デフォルトではWindowsのポートオプションは非表示になっています。Windowsポートをキューマネージャーで使用できるようにするには、[ツール] > [オプション] の順に移動し、[Windowsポートの選択を許可する] を選択します。

これによって、すべてのWindowsポートが [キューマネージャー] で使用できるようになります。

[キュー] > [キューの管理] の順に移動すると、出力用に使用するためにポート列でWindowsポートを選択することができます。

プリンター用のUSBポートはUSB001、または場合によってはデバイス名として表示されます。デバイスのWindowsドライバーがある場合には、プリンターのプロパティにあるポートタブで使用されているポートを確認することができます。

この例では、USB001の上にある WDSポートは リコープリンターのUSBポートです。プリンターのプロパティにある [ポート] タブを見ると、各ポートに関する詳細情報を確認することができます。このタブには各ポートの説明、ならびにポートに物理的に接続されているプリンターも表示されています。

TCP/IPポートはデバイスのIPアドレスとして表示されますが、場合によってはデバイス名で表示されます。ただし、プリンターのプロパティにある[ポート] タブを見れば、上記と同じ方法で説明とプリンター名を確認することができます。

Windowsスプーラーを使用して印刷ジョブを送信する前に、1つ以上のキューがコントロールパネルにインストールされていることを確認してください。これは、プリンターと通信するための動的なWindowsスプーラーデバイスを作成する目的でドライバーをコピーできるようにするためです。

[コントロールパネル] 列の任意のキューの上で [インストール] をクリックすると、そのキューのコントロールパネルドライバーがインストールされ、Windowsポートへの印刷ができるようになります。

: コントロールパネルドライバーを使用してキューを既に設定済みの場合は、これをスキップすることができます。

その結果、Windowsポートを使用して印刷できるようなり、ジョブはすべてWindowsスプーラーを使用して送信されます。

 

Windowsスプーラーから何が印刷されるのかを確認するには、[非表示のアイコンを表示](Windowsの右下)をクリックします。保留ジョブのある各プリンターキューのアイコンが表示されるはずです。

アイコンをダブルクリックすると、そのデバイスの保留ジョブのリストが表示されます。デバイスとの通信はすべてWindowsが行います。

最も頻発する問題の1つは、Windowsドライバーとキューの両方がプリンターと同時に通信しようとすることから生じる、Windowsドライバーとキューの競合です。Windowsポートを使用すれば、この問題は解決するはずです(Windowsポートを選択すると、キューはそのポートを使用する既存のWindowsドライバーを最初に探します。インストール済みのドライバーがある場合には、そのプリンターの既存のWindowsスプーラーにジョブを送信するため、競合は発生しません)。

Windowsドライバーが存在しない場合は、「Pass Through」という名前のドライバーをキューが作成します。

これはWindowsドライバーとキューの競合を回避し、プリンターとの別の通信方法をテストするためにも非常に便利な方法です。